手動抜き型プレス機『イル・トロ』(ハンドクリッカー)

※写真が間に合っていませんが、柱の位置が変更になっています

プレス時に手前に倒れにくくするのと、下敷き上にワークをセットしやすくする目的で、柱を後ろに動かしました。

この写真が現在の位置ですが、他の写真の差し替えは間に合っていないのでご了承下さい。
プレス能力や操作方法に変更はありません。

 

『イル・トロ』は、イタリア語の『牡牛』という名前を付けた、手動抜き型プレス機(ハンドクリッカー)です。

牡牛のように力強いプレス性能を持ちながらも、フレームにケヤキを使用することで、驚くほど軽量です。

木部が与える落ち着いた雰囲気は、創作活動に良い影響をあたえるでしょう。

☆力強く頑丈でありながら軽量

強度計算をして構造とパーツ構成を設計していますので、2トンの油圧ジャッキの限界性能まで引き出せます。

最も重量的に嵩みがちな横桁と底板部分を極厚のケヤキにし、柱を両端に配置する単純に最も強度の出しやすい構造にすることで、耐荷重を満たしながらも非常に軽量(約10キロ)なフレームになっています。

同じ2トンのアーバープレスが40キロ以上あることを考えるといかに軽いか解るかと思います。

底板サイズは、33センチ×20センチ、高さは45センチなのでしまうのにも場所を取りません。

 

 

☆簡単操作

PP板の上に革を置き、その上に抜き型を置いたら本体に挟みます。

厳密でなくてよいですが、抜き型の重心がジャッキの真下に来るようにセットしてください。

極端に左右に置くと片側だけに圧が集中して抜き型やベアリングが壊れます。

 

付属している二本の棒を繋いで長い棒にします。(ジャッキによっては一本の物も有り)

油圧ジャッキ右側にある差し込み穴に棒を差し込んで、上下にポンピングします。

基本的には、全ての手動油圧ジャッキに共通しているはずです。

完全に抜けますと手ごたえがありますので、加圧のし過ぎにご注意ください。

完全に抜けたら油圧を緩めます。

差し込み穴から棒を抜き、棒の穴がつぶれて狭くなっている部分を使い、ジャッキの底付近にあるツマミの様なものを反時計回りに半回転だけ回します。

ここで回し過ぎるとオイル漏れを起こして悲惨なことになるので、必ず半回転です。

圧が抜け、元の位置に戻りましたらツマミを時計回りに回して締めます。

締めないと圧はかかりませんので、忘れず締めて下さい。

うまく圧がかかれば写真のように綺麗に抜けます。

得意なものは写真の様な10センチ前後の抜き型です。

☆プランジ機構でスムーズで高精度

上下に動く部分には、シャフトとスライドブッシュを使い、スムーズで高精度なプランジ機構になっています。

必ず真っすぐに下りてくるので、ひどく斜めに力がかかり抜き型の刃先をダメにする可能性が低減されます。

高速で動くわけではないので、ベアリングは長期間メンテナンスフリーです。

 

 

非常に堅牢な機構です。

バネは適度に強力なので、油圧を開放すると一瞬で元の位置に戻ります。

☆独自のスプリング方式で操作性が良く、高耐久

モールドスプリングという強力バネをシャフトに組み込んでいるため、引きバネのように折れやすい引っかける部分が無く折れるということはまずあり得ません。

付属の敷板と下敷きを使用してのプレス距離(概ねバネ長の2分の1まで)ならば、なんと100万回の上下動に耐えるというメーカーのデータを元に設計してあります。

 

また、調整すれば、10㎜前後の隙間に調整可能なので、ポンピングが楽です。

MDF調整板なしの場合、抜型厚32㎜で抜き厚12㎜まで、抜型厚24㎜で抜き厚19㎜まで、抜型厚19㎜で抜き厚24㎜まで、

MDF調整板ありの場合、32㎜は不可、24㎜は8㎜、19㎜は13㎜になりポンピング回数が少なくて済みます。(いずれもスムーズにワークを動かせる10ミリ程度の隙間を開けて計算)


なお、バネ長は55㎜ですが、デフォルト状態では7.2㎜縮んだ状態ですので、55÷2-7.2=20.3で、プレス厚20.3㎜までが100万回耐久の範囲になります。

バネのスペック上、プレス厚25.8㎜までが30万回耐久となり、それ以上は、極端に強度低下を引き起こすのでご注意下さい。

ある程度調整可能ですが、革用に使う際は、抜き型をセットした状態で概ね8~13㎜の範囲に隙間が空くように設計してあります。

刃の高さがある時は、木の上にネジ止めしてある「MDFボード」を外してご使用下さい。

MDFボードは性質上、刃の下敷きにはできませんので必ず白いポリプロピレン板を下敷きにして下さい。

☆そこそこ広いプレス範囲

あまりに広範囲になりますと、柱が4本必要になり、加圧面積が増える=更に圧力が必要になり、それに伴ってフレーム強度を上げる必要がでて・・・と際限なく材料代が上がってしまいますので、最終的にも高くなります。

それができれば便利なのは間違いないですが、必要ない人にとっては有り難くない値上がりでしょう。

イルトロは、2本の柱で耐えられるだけの「そこそこ広い」面積(約10センチ×19センチ)に絞ることで価格を抑えています。

大多数の方が必要とするキーホルダーの様な小型の抜型であれば1回で抜けますし、財布の型などの大きなものも複数回に分ければ抜くことができます。

とは言え、効率は決して良くありませんので、商業的に大きな型を数十枚単位で抜く場合は、電動油圧プレス機を購入するか、専門業者に依頼した方が良いと思います。(思ったほど高くありませんので)

数回に分ければこのくらい大きな型(これは17×40センチ)でも抜けます。

 抜けますが、幅がギリギリだと位置合わせが大変ですし、切れ味が良くないとかなりの圧が必要になります。

☆油圧ジャッキは、簡単に交換可能。向きも変更可能。

油圧ジャッキは、少ない力を増大させる安価で素晴らしい機械ですが、比較的故障しやすいというデメリットがあります。

高負荷での使用や経年劣化でピストンのOリングがダメになると圧をかけられなくなります。

Oリングがゴムである以上、国産の高い物でも安物でも必ず劣化しますし、使用条件や個体差での差がかなりあるので、1~3年で圧がかからなくなるものもあれば10年壊れないものもあります。

Oリングは、安価ですので自分で修理できますが、ちょっとだけ難しくて簡単な工具が必要になります。

考え方次第ではあるのですが、高価な物でも安価な物でも加圧性能自体は全く同じなので、修理は無理だと思うなら安価なものを入れ替えて使うのもよし、修理できると思うなら高級機を直して長く使うのもよしです。

高級機ですと、操作するための棒の造りが良く操作しやすかったり、各部仕上げがきれいだったり、やはり故障リスクが低かったりと、確実にメリットはあります。

とはいえ、マサダ等の有名メーカー品を標準装備しますと現在標準で入れている物の三倍以上しますから更に4000円以上の価格アップになってしまいます。

それで、ノーメンテで3倍長持ちするかといわれると全く保証できないのが正直なところです。

とりあえず、モノタロウの安いジャッキを付属してありますので、それがダメになった以降の判断はお任せします。

もちろんご相談はお受けいたします。

いずれにしても、油圧ジャッキの着脱は非常に簡単です。

交換時やジャッキの向きを変える際は、必ず上の鉄板の中心にジャッキの心棒がくるように調整してください。

なお、この心棒を回すと高さが変わりますので、裁断厚みの調整もできます。

ジャッキ下の押し板に体重をかけて少し下げれば簡単に外れます。

取り付ける際は、ジャッキが完全に縮んだ状態でジャッキにやや圧力がかかり傾けた程度で外れないように心棒の出を調整してください。

出荷状態ではケヤキの底板から押し板のステンレスプレートまで約55ミリでセットしてあります。

正面だと省スペースですが扱うワークが隠れます。

斜めにすればワークが良く見えます。

 

棒が真横になる位置にジャッキを向けることもできます。

※油漏れする可能性があるので油圧ジャッキは絶対に横倒しにしないで下さい。

☆メリット、デメリット一覧

安くて軽くて強力で故障しない。

そんな都合の良い機械は存在しません。

それぞれにあるメリットデメリットをよく吟味し、自分の使い方にあった機械を選定してください。

仕組みと価格が違うので、どれが良いかは人によって変わると思います。

 

イルトロ(手動油圧2t)

オーストラリア製テコ式5t

中国製アーバープレス2t 電動油圧クリッカー16t
重さ 10kg 45kg 40kg 1000kg
大きさ 卓上サイズ(約20×33㎝) 卓上に置けるが棒が長い 卓上に置けるが棒が長い 大型バイクくらい
早さ

ややのんびり

やや早い 普通 非常に早い
操作力

小さな力でよい代わりに回数増

少し体重をかける程度 相当体重かける場合もあり 半自動(但し200V電源)
面積 そこそこ広い、長さ無制限 広い 狭い、懐狭い 非常に広い
価格 3.2万円 18万円 2万円(+押し板代金) 50万円~(中古)
整備性 油圧故障の可能性有、修理は容易 グリスアップ程度、修理高額

グリスアップ程度だが修理不可

整備は必須、素人には無理
外観 木材を使用しシンプルに 鋳物製だが丁寧で味がある

いかにも鉄工所、造りが雑

明らかに家庭用ではない
誰向き

使うたびに片づける。

早さは重要でない。

趣味or小規模向けだが

お金に余裕があればこれ一択

お金は最低限で必要十分性能

それ以外には目を瞑る

本職の方

☆商品内容

 本体サイズ 横幅33センチ、奥行20センチ、高さ45センチ
加圧範囲 10センチ×19センチ、両側柱での支持なので長さは無制限、厚さは10ミリ前後までの薄物専用
加圧力 2トン油圧ジャッキ(交換時、使用可能な油圧ジャッキは最小高さ185㎜までの物)
セット内容

本体フレーム、厚み調整12㎜MDF板、下敷き用10㎜PP板(195㎜×395㎜)、油圧ジャッキ、

修理用Oリング、油圧ジャッキの説明書

価格(送料税込み) 32000円

☆特注や油圧ジャッキの変更など対応可能です。

クラフトノラで作っていますので、どうとでも変更可能です。

例えば、「3センチくらい厚さのあるものを裁断したいので隙間の大きなものが欲しい」ですとか、

「値段が上がっても良いので国産有名メーカーの油圧ジャッキを最初から装備して出荷して欲しい」ですとか、

標準仕様のイルトロでは足りないところがある場合は、遠慮なくご相談ください。

☆購入の前によく考えてみてください。

本当に手動抜き型プレス機が必要ですか?

 

持論としましては、クオイオなどのハンドプレスとは違い、大半のレザークラフターにとって手動抜き型プレス機は必要ないと思います。

2~3センチまでの抜き型でしたら切れ味がまともならば体重で切れます。

業務用に財布などの大きな抜き型をたくさん抜くのでしたら、電動油圧プレス機か、オーストラリア製の大型手動プレス機を購入した方が良いし、買えないとしてもそれを持っている専門店に依頼した方が、早くきれいで安いかもしれません。

1プレス50円とかそんなものですからよほど複雑な財布一つ分でも500円もかかりません。

そもそも抜型は必要でしょうか?

デザインナイフで切り出すのは無理ですか?

 

では、どういった方に家庭用の手動抜き型プレス機が必要とされるのか?

趣味だけど抜き型で全く同じものを量産したい、そうは言ってもせいぜい数十個程度、サイズもほとんどが10センチ前後、高額だったり大きな機械は無理、使うたびに片づけたい、依頼するのは面倒だし少なすぎて頼みにくい、空いた時間に家でゆっくり作業したい、こんな感じでしょうか。

必要とされるであろう性能を満たしつつもなるべく安価になるように作ったつもりですが、それでも決して安いとは言えないと思います。

ハンドプレス機より要求される強度が遥かに高いためしかたないのです。

それでも絶対必要だという方だけに購入してほしいです。

買ったは良いものの、倉庫の肥やしというのは、とても残念ですので。

☆抜き型を発注したい方はNS工房へ

クラフトノラは、木工専門なので抜き型の製作は不可能です。
「NS工房」様では個人の注文も受けてくれますので、直接発注して下さい。
発注方法などをまとめておきましたのでご参照下さい。