クオイオsimple

☆サイズと懐寸法以外の基本的な性能はクオイオproと同じですので、必ずクオイオproのページも参照ください。

またオプションパーツなども基本的に共通です。

必要十分の性能を低価格で実現しました

性能はクオイオとほぼ同じです。

ですので性能面について書くことはあまりありません。

概ね12センチまでの手持ち刃物や刻印などはほとんど使用できます。

レザークラフトを行う上で必要な性能は十分に備えています。

さらに木製であることの手触りの良さなども失っていません。

なぜ低価格で同じ性能にできるのか?安いのには理由があるのではないか?

もちろん理由はあります。

プラスな理由とマイナスな理由があります。

 

全ての無駄を徹底的に抑えて再設計

材料は低価格ながら手触りが良く強度の高いゴム集成材を使用。

集成材はサイズの決まった規格材であるため材料の切り分けを計画的に、毎回同じように行え、加工効率が非常に良くなります。

ただしケヤキ無垢材よりもたわみに弱いのは確かなので、腕の角度を変更し使用時のたわみを軽減しています。

その副次的効果として奥行きが小さくなり、大幅に小型化しました。

また、加工後の廃材が5%も出ないほど高効率に取れるように設計し、処分費も削減しました。

また性能に影響のないギリギリまで小型化することで発送サイズをノーマルクオイオより1サイズダウンし、箱もそれに合わせて発注した専用BOXを使用しています。

材料費、処分費、梱包費、送料などのあらゆる経費を徹底的に削りました。

製作工程の効率化

クオイオノーマルやクオイオproは、ハンドプレス機としての能力に加えて質感の良さや、工具入れなどを付属することで最高の使いやすさを目指しています。

クオイオsimpleについては、方向性が違うので、とにかく製作効率を重視しています。

例えば、面取りのアール(半径)をノーマルの5ミリから3ミリに変更しています。

丸みが大きい方が触り心地は良いのですが、欠けやすくなるため慎重な作業が必要になります。

3ミリであれば素早く加工しつつも大きく触り心地を損ないません。

他には刃物入れは削除、トグルクランプのダンパーゴムも削除、ドリルチャックも標準では削除と、無くても問題なく使えるものについては大幅に削ることで組み立てを効率よく行えるようになりました。

 

ドリルチャックについては、長年ハンドプレス機を販売し、使ってきた経験から、作業内容によっては無い方がやりやすい場合が多く、またほとんどの作業はなくてもできる事がわかっています。

とは言え連続して同じようにプレスしたい時には精度を上げるためには間違いなくあった方が良いです。

というかプレス機構が2つあるなら併用する事で世界が変わります。

その為、同時に使えるPROを開発しました。

シンプルではまずは使うのに必要十分であることが重要なので、販売セットからドリルチャックを外してハンドプレス機入門のハードルを下げました。

もちろん後付けできるように設計してありますので、必要になったら追加していただけます。

 

効率化がうまく機能していますので、製作するための時間がノーマルよりも30%減り、単純に私の人件費が安く済み、価格に反映されています。

 

 

マイナスな理由

1.ゴム材は硬木材の中では典型的な安価な材料であるため、木工のプロである私は嫌いな材です。

テーブルにすれば木目が薄く、詳しい人には安い材料に見られ、水に濡れると腐りやすく、塗料乗りが悪い、家具材としては3級品です。

ただし硬く丈夫で、価格比ではトップクラスに硬い丈夫な材です。

また、安価である理由は材料の品質が悪いからではなく、全ての材料が天然ゴムプランテーションで計画栽培され、20年ほどゴムを絞られ役目を終えて伐採された材であるため、安定して大量に流通しており、しかし家具業界では不人気で、建築業界ではほとんど使用できない材であるため在庫が多く、結果として安くなっています。

適材適所、今回の設計においてはゴム材がベストであると判断しました。

まぁ、ある意味エコロジーな材料であるとも言えます。

2.上にも書きましたが、工具入れやダンパーなど無くても使えるものはすべてカットしました。

低価格で同じものは作れません。

3.材料の歩留まりを最優先で設計しているので、使用感などはその次となっています。

悪いということはなく満足できる出来ですがベストではないです。

なぜ廉価版を作ったのか?

クオイオ系は現実的な価格での最高の使い心地を目指して設計しているため、当初は廉価版ともいえるシンプルを設計するつもりはありませんでした。

しかしながら最近、Amazonやヤフーオークション、メルカリなどで中国からの輸入転売品や、アルミフレームで製作されたもの、ホームセンターで簡単に手に入るツーバイ用木材を使用したものなど、粗悪なハンドプレス機が大量に販売されるようになってしまいました。

 

中国製ハンドプレス機はそもそもレザークラフト用に設計されたものではありませんし、何から何まで非常に粗悪です。

高いものだと日本で16000円程度で販売されているということは、送料や利益を考慮すると中国から買い付けるときは5千円ほどでしょう。

その価格なりの品質であるわけです。

 

アルミという金属はほとんどしならず、強い圧力が加わり曲がると戻らない性質があるため、片持ちのプレス機のような機械に使用するのは不適当です。

少なくともその荷重相当の接触面積を確保し相応のビスを使用し完全に動かないようにしなければなりません。

あるいは、一体成型の鋳造にするか。

2、3センチの幅の材料でそんなことできるわけがないんです。

にもかかわらず、平然とアルミフレームを使用して製作したハンドプレス機を販売している輩がいます。

アルミなので木材より強いなどと言っていますが、そんなもの状況次第なのでそう断言している時点でなんの根拠もなく言っているのがわかります。

何より気に入らないのが、クオイオのパクリ構造を堂々と使用していることです。

自分の頭で考えられない分際で小遣い稼ぎをしようなどいい根性しています。

 

杉やツーバイ用木材を使用したものはまさにアルミより弱く、同じ木材でもケヤキやゴム材などの硬木とは次元が違います。

 

それもそれなりの価格であるため多少の不具合や不便があっても我慢して使い続けると思います。

これは本当に不幸なことです。

私は異常に拘りの強い製作者であるため、輸入品に自社ラベルを張り付けてまるで国産の自社製品を装って転売するようなやり方が大嫌いです。

また、材料特性すら理解せず、使うべきでない材料で自信満々に粗悪品を作り出す人間も大嫌いです。

 

しかし残念なことにこれらのくだらない販売者に相当数のハンドプレス機の需要を持っていかれているのが事実であり、この事実が悔しくて悔しくて仕方がありませんでした。

クラフトノラの製品は、それらに比べたら総じて高いというのが最大の原因だというのは明白でした。

予算が限られている人に予算オーバーの品のコスパを語っても意味が無いでしょう。

そこで単純に、これら粗悪品よりも安く高品質なものを販売すれば粗悪品業者の息の根を止められるだろうということでクオイオSimpleの設計に着手しました。

そんな怒りがパワーの源です。

私は怒っているときの方が仕事が早くなるため、結果的に猛スピードで販売まで漕ぎつけることができました。

どうかクオイオSimpleの発売によって、全てのレザークラフターにまともなハンドプレス機が届くことを願います。

なお最高の使用感と満足感を求める方には、後悔しないようにクオイオProをお勧めします。

このような整備された工房で、木製道具製作のプロが、大型の機械を使って高精度に製作しています。
それと比べても中国からの輸入品を転売しているだけの品や、発注しただけのアルミ材を素人が部屋で組み立てただけの品が欲しいですか?

彼らのどこを信用してその品を買うのでしょうか?
損しない買い物をしましょう。

仕様表

サイズ・・・高さ330mm×横幅190mm×奥行235mm

重量・・・約3kg

使用材・・・ゴム集成材

高さ調整機構・・・ハンマー部品のネジでの調整と、調整板の併用による

販売セット内容・・・本体、高さ調整板MDF21mm、トグルクランプ用ハンマー部品

こちらの写真が標準セット内容になります。

ドリルチャックは標準では付属しませんが、ハンマー部品と取り換え可能なように設計してありますので別途ご注文ください。

本体と同時注文時のみこちらでチャックと本体の相性を見ながら垂直の調整を致します。

こちら写真は取り換え後のものになります。

同時購入されたドリルチャックは調整後取り外して同梱致しますが、手前側にする方向にマジックで線を書いてありますので、それを手前にしつつハンドルを下げた時の下端が約9センチになるように取り付けて下さい。