ステッチングクランプ「マノ・グランデ」

主要部分の構造を盗用されない為に重要なところは写真に写さないようにしてあります。

簡単に作れる物ではないので、どうせ採算合う範囲で模倣できないと思いますが、実際模倣されるとかなり不愉快なので、ブログ等にアップする写真も下のカムのところを避けていただきたいです。

☆今までにない新しいクランプです。

革を縫うために挟んで固定する道具は、いろいろとあります。

今まで存在しているものと、そのデメリットを挙げてみます。

・机に固定して使うもの…机の前でないと使えない、サイズの関係で懐が狭い

・開け閉めがネジ式…開け閉めが遅く、ネジが手元近くになければいけないので、そこから上しか懐がない

・足でバンドを操作して開け閉め…必然的に床置きで巨大化する割に機構が大きくて懐がやや狭い

・完全に跨る椅子タイプ…かなり大きくて重く、普段邪魔

・ブランチャード型のもの…太ももで挟んでクランプするのである程度体勢が決められてしまい疲れる、力を緩めると掴めない

と、こんなところでしょうか。なかなか理想的なクランプは無いものだなぁと感じていました。

 

懐がそれなりに大きく、開閉が一瞬でできて、ソファに座りながら使えて、挟んだまま中断できる。

そんな都合の良すぎるクランプを開発しました。

ちなみに「マノ・グランデ」の意味は、「大きな手」です。

☆開閉は一瞬、足での操作で、広い懐

構造は、巨大な洗濯ばさみのようですが、バネ式だと十分な締め付け圧を得られないので独自設計のカムを使用した5段階カム式を採用しました。

カム式なので、太ももで挟むタイプと違い、ロックする位置までカムを回すと固定され、ネジ式より遥かに早いです。

締めるとやや加圧状態になりますが、木がしなることで余分な圧力を逃がし、適度な圧力を維持します。

とは言え、あまりにも加圧しすぎると、本体も挟むものも痛みますので、挟むものに応じて5段階のちょうどいいところを使用してください。

後述の特殊ゴムにより滑りにくいので、軽い力でも革は動きません。

カムの位置は最下部なので、足で操作します。

これにより左右の板を繋いでいる接続部分より上には、機構部がないため、懐長さがかなり大きく(約50センチ)できました。

☆ソファでもスツールでも座椅子でも使える

これが、自分としては最大の魅力です。

ソファや座椅子に座ってテレビを見ながらでもいいし、スツールで背筋を正して縫ってもいい。

どんな場所でも好きなところで、好きな時間に縫って、途中で少し休憩するのもそのまま針をくっつけて置いておけばいい。

工作って「あーしんどい、あーめんどくさい」と思いながらやると長続きしません。

ルーチンワークって、おそらく多くの人にとってしんどくて面倒くさいものです。

僕は、それでお金が発生するので、多少しんどくても面倒くさくても我慢できますが、趣味で苦痛になるならやめますよね。

だから、縫うという典型的なルーチンワークは、できるだけくつろいだ状態でやるべきだと思います。

そして、疲れたり飽きたりしたらすぐに休憩する。

そういったレザークラフトとの付き合い方を可能にするクランプだと思います。

☆素材は全体がナラの集成材

ナラは、高級家具材やフローリング材として知られる、木目の美しい材料です。

丸く曲げて作るウイスキーの樽にも使われるような材料ですので、良くしなるという特徴があります。

クランプ時、適度にしなって加圧し、フリーの状態では元に戻ります。

ウイスキー樽ほど曲げるときは集成材では折れますが、ステッチングクランプとしては数ミリの曲がりなので問題ありません。

むしろ集成材の方が乾燥度が安定して高く、寸法安定性が良いため品質が安定するとともに価格も抑えられます。

ついでにナラは、ウイスキー樽として香りづけに使うくらいなので、ほのかに甘い非常に良い香りがします。

 

☆針置きなどの細かい配慮

細かい気配りや工夫が随所に散りばめてあります。

ネオジム磁石を貼り付けてあるので、休憩時に針をくっつけておけます。

開口部分に特殊なゴムを付けてあるので、革や普通のゴムに比べて作品が非常に滑りにくくなっています。

足の部分には、天然ゴムの足を付けて、滑り止め兼、床に傷が付きにくいように配慮してあります。

カムを緩めたときには、バネの力で自然に開口します。

☆大きさ、性能

サイズ:閉じている時、90センチ×10センチ×18センチ(約)

重さ:約2.5キロ

挟み幅:5段階(約0~20ミリ前後)

価格:各ショッピングサイトを参照

☆使い方

基本は、座面高さ40~43センチ程度の一般的なソファやチェアでの使用を想定しています。

座面の高いスツールなどでの使用時は、雑誌などで嵩上げする必要があります。

ソファでの使用時は、そのまま座面にマノグランデを立てかけるようにしつつ膝で動かない程度に挟んで使います。

革を挟むときは、片手でマノグランデの爪の片方を支えて、もう片方の手で革を位置決めします。

カムのレバーを足で下に踏み込むようにすればカムが段階的にロックされます。

革が動かない程度にクランプできればよいので、無理な力がかからないように注意してください

挟みたい革の厚みは、クランプに力がかかっていないときの開き幅+5ミリ以内に収まるようにしてください。

ロックを解除するときは、革と本体を手で保持しつつ、カムのレバーを下から上に跳ね上げます。

 

ロックしたまま放置しても短時間なら大丈夫ですが、数日も力がかかったままになると木に曲がったクセが付く可能性があります

曲がってしまったら修正する方法を後述していますので参考にして下さい。

1日以上、解放状態で放置しておけば元に戻る場合もあります。

座椅子での使用時は、足で保持するのは大変なので、クッションなどを挟んで適度な位置に爪先を持ってきます。

☆整備など

長くお使いいただくためには、少しの整備が必要です。

カム周りの木が擦れるところには、ロウを塗って摩擦を軽減させます。

写真の赤くなっているところと、カム側はその先まで、とにかく木と木が接触するところには十分すぎるくらいに塗ってください。

何度も擦り付けるようにロウを木に滑らせればロウが削れて木がコーティングされます。

ロウ切れを起こすと木が摩耗しますので、1作品ごとくらいにはロウを追加で塗ってください。

付属しているロウを使い切ったらロウソクでも同じパラフィンなので大丈夫です。

爪先のゴムは、ほこりなどが付いているとグリップが落ちますので、軽く水拭きをして綺麗な状態で使ってください。

革を挟んだまま忘れてしまったなどで、長期間放置し、木に曲がったクセがついてしまった場合の修正方法を記載します。

 

まずは、本体の爪先の方を紐で縛って開かないようにします。

 カムも動かないように紐で縛ります。

反対側をF型クランプなどで締めていきます。

無理な力が加わると破損の原因になりますので、少し逆に反る程度で大丈夫です。

加圧したまま数日放置しておけば、内側に曲げなおせます。