通常のクオイオなどの200キロ程度のハンドプレス機では、小型でも抜き型や、ロゴサイズの刻印ですら打てない場合があります。
いわゆるハンドプレス機と呼ばれるものは、コの字型の形状であるため、圧をかけるほど開く方向に力が逃げてしまいます。
開くことで手前と奥の押し具合が変わってしまいますし、そもそも抜ききれない場合も多いです。
よって、その開きを最小限に抑えるための強度が必要になります。
クオイオDoppioは、、他のクオイオシリーズの約2倍(384キロ)の加圧力のプレス機構を備えており、その力をなるべく最大限まで生かせるだけの強固なフレームにしてあります。
柱の太さは65ミリ×90ミリとものすごい太さ(重要なのは接地面積ですが)であり、板からプレス先端までの距離も短いため力が逃げるところが非常に少ないです。
これだけの強固さがなければ柱1本のハンドプレス機で安定した抜き型(刻印)作業はできません。
これでも1ミリ程度逃げますので、他社の華奢な構造では鉄だろうがアルミだろうが話にならないです。
大きめの抜き型や刻印にはイルトロのような2トンクラスのプレス機を使用しなくてはなりませんが、小型のものしか使用しない場合に限ればクオイオDoppioを選択することで、より費用を抑えて、かつ効率的なプレス機を導入することができます。
なお、クオイオDoppioはなるべく力が逃げないようプレス下の空間を狭く作ってあるので菱目打ちなどを使用することはできません。
直径5センチ程度の抜き型であれば一回で抜けるように設計しています。
抜き型の場合は大きさよりも刃の厚さと切れ味(つまり抵抗)と、刃の総延長に大きく依存しますので参考値です。
写真のように薄刃の抜き型であれば複雑な形状の花などでも一回で余裕をもって抜けます。
刻印は直径3センチ程度を想定しています。
刻印については革にめり込む面積に大きく依存しますので、図柄のものは押しにくく、文字のように線で構成されているものは押しやすくなります。
トコ面に仕上げ剤を塗布してから押してしばらく置くと、仕上げ剤の湿気で革が柔らかくなりクッキリと押せて、尚且つ乾燥するとボンドのような効果で刻印が長持ちします。
ポリプロピレン下敷きの上に抜き型を置いて、その上にステンレス板を置いて、ボルトの高さを調整します。
写真のようにほんの少しだけハンドルを上げた状態、つまり革をしっかり貫通して無理なく下敷きに刺さる程度に調整します。
なるべくレンチ(17mm)を2個使用してしっかり締めてください。
指で締めるだけだと圧でズレます。
刻印の場合は革を刻印の下に置いた状態で高さ調整してください。
なお、押し板とボルトが分離した構造となっていますが、溶接して一体にしてしまうと回転させたときに板の水平を合わせることができないからです。
分離していれば押されることで自動で水平となります。
革の上に抜き型や刻印を置き、その上にステンレス板を置きます。
ステンレス板を置く前の段階で抜き型や刻印の重心、ここでの重心とは重さではなく抵抗力の中心点になりますが、この重心を確認してください。
なんとなくではわからない方は、型のど真ん中で試し押ししてみて、抜き型であれば切れ残りが出た部分、刻印であれば薄い部分が抵抗が強い方向ですので、少しずつ中心をそちらに動かして確認してください。
ステンレス板をのせて、抜き型や刻印の重心の部分を狙ってプレスします。
こうすることで抜き型は切れ残りを防止できますし、刻印は均等に押すことができます。
力をかける際は、空いている手で本体を押さえてから使用してください。
下敷きは、写真のように掴みしろを外に出した状態で使用すると効率が良いです。
定期的に赤矢印の箇所にミシン油などを注油してください。
トグルクランプはいずれ消耗して交換になる可能性がありますが、その際は木製ハンドルごとの交換となります。
数万~10万回程度の単位で使用した後となりますが、あらかじめご理解ください。
大きさ・・・高さ、幅、奥行き
重さ・・・
加圧力・・・最大384kg
セット内容・・・本体、押し板60×60(ステンレス)、下敷き100×170(ポリプロピレン)
手動プレス機は加圧力が弱めである代わりに様子を見ながら使用でき、刃に過度な力がかかりにくいです。
そのため、刃の厚みが薄く抵抗の小さい抜き型がお勧めです。
お勧めというよりも複雑なものになると薄刃でないと抜けない場合もあるかと思います。
薄刃を扱っているところは少ないのですが、注文のしやすさからもメルカリやLINEから注文できる「Po+Cut」さんを紹介させていただいています。
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