革包丁砥ぎガイド『ロブスト』

本製品は、写真1枚目の本体のみでの販売となります。
出荷時には軸にウレアグリスを注油してあります。
回転軸が重要部品であり、水や砥石を使用する性質上、注油が非常に重要です。

日常的なメンテナンスは、本ページをよく読み必ず行って下さい。

☆製作の経緯

革包丁の砥ぎ角は9~18°くらいなのですが、そこまで鋭角だと、ほぼ寝かせた状態を維持しなければならない為、砥ぎに慣れていない初心者が刃先を正確に作るのは、まず無理です。

鑿や鉋に慣れている私でも、薄くて砥ぎにくいので、正確に砥げてるのか砥げていないのかよくわからないという感じでした。

革包丁専用の研ぎガイドは、世界的に見てもあまり普及しておらず、世界中のインターネットを探し回りましたがあっても不満の残る物ばかりでした。

それでも韓国のメーカーが作っていたものが性能と丈夫さの点では良いものだったので取り扱っていました。

そんな時、以前のモデルを製造していたメーカーと音信不通になってしまいます。

これを良い機会と考え、クラフトノラオリジナルで全ての不満点を解消したパーフェクトに近いものを作ることにしました。

「ロブスト」はイタリア語で頑丈という意味の通りの性能です。

その名の通り他の追随を許さない頑丈さを誇ります。

 

 

☆オールステンレス製

以前のモデルや他社現行品の不満点を全て解消するべく、全部品をステンレス製にすることはまず設定した最低条件でした。

全ての部品にサビに強いSUS304及びSUSXM7(304系統)を使用し、砥ぐという水を使う作業における機能性を大幅に向上させました。

また、ステンレスはサビに強いだけでなく耐摩耗性も良好なので、適切なメンテナンスをしていれば一生使うことができます。

プレート板厚は3ミリ、ローラー径は8ミリと、強度面でかなりの余裕を持たせた設計になっています。

ステンレス加工で静岡では有名な山崎製作所に部品の製造を依頼しているため、驚異的な高精度です。

☆最も低い砥ぎ角度

ローラーを後ろ側に動かすことで超鋭角の砥ぎ角度を作れます。

更にローラーの上の隙間を見てください。

高精度の加工により、ここまでギリギリに下げています。

これ以上刃の下のスペースを削るには、プレートやローラーサイズを削ることになり金属の強度的に好ましくない為、ほぼ限界の角度になっています。

砥ぎ角度を低くできるからなんだという話ですが、刃先角度そのものは9度程度が限度です。

しかし、鋭角を砥ぐときでも治具の取り付け位置を刃先側に寄せられる=砥ぎシロが大きくなるというメリットになるのです。

写真は具体的な例で、柄から刃先まで約75ミリの厚さ2ミリの革包丁の場合、限界まで寄せると約50ミリの余裕があります。

この条件で10度の刃先を作る場合、治具から刃先までの出は38.7ミリとなります。

つまり、砥ぎシロは約11ミリとなります。

ローラーが当たらないように柄を少し削れば更に下がれるので砥ぎシロが増えます。

どんな革包丁でも10度(条件次第ではそれ以下も)まで難なく砥げるガイドは、他にないと思います。

某樹脂製のガイドの場合、厚さ2ミリで10度の場合出は58.2ミリですので15ミリ程度の本体幅だった場合、砥ぎシロはほぼなくなりますし、柄がある革包丁ではそれ以上どうやっても下がれません。

この構造でないと不可能ですから、これにそっくりなものでない限りはそうなります。

☆角度表

セットできる刃の幅は、真っすぐの物で48ミリです。

幅と刃先角度次第では斜めにセットも可能です。

  刃厚1.5 刃厚2 刃厚2.5 刃厚3
9度 41.5 44.7 47.9 51.1
10度

35.8

38.7 41.6 44.5
11度

31.2

33.8 36.4 39
12度 27.3 29.7 32.1 34.5
13度 24 26.2 28.5 30.7
14度 21.2 23.3 25.3 27.4
15度 18.8 20.7 22.6 24.6
16度 16.7 18.5 20.3 22.1
17度 14.8× 16.5△ 18.2 19.9
18度 13.1× 14.8× 16.4△ 18

表の単位はミリです。

刃の出が16ミリ以下はプレート下部が砥石に接触してしまうため使用できません。

刃の下にプラ板などを挟んで厚さを足すことで、表中で×の条件でも砥げるようになります。

 

漉き用が9〜12度、裁ち用が15〜18度くらいです。

ちなみに革漉き機フェッタに採用している超鋭角カッター刃は8度ですので、快適な漉き作業には10度程度が必要ですが、あまりに薄いと刃持ちが悪かったり、刃先が弱くなります。

刃の素材が高硬度であるほど薄くしても大丈夫ですが、欠けやすくはなります。

所有する革包丁の状態を見ながらバランスのよい角度を見つけてください。

革包丁では、薄く砥いでおいて刃先だけもう少し角度を鈍くする二段砥ぎもかなり有効です。

 

☆使い方

 

まず、刃の出を測るものを作ります。
板や厚紙に写真のように印をするだけです。
この数値は、刃の厚みと希望角度を元に上記表を参考にしてください。
次回砥ぐ時も出来るだけ全く同じ長さに合わせるようにする事で、削る量を最低限にでき、それにより早く砥げる上に革包丁の寿命を延ばす事ができます。

定規にガイド本体を当てて刃を出す量を調整します。

刃先側を指で押さえて固定してからガイドを固定するとやりやすいです。

刃先角度を大きく変える時は、最初にダイヤモンド砥石で刃先の先端以外に角度が付くまで削る事をお勧めします。

普通の砥石で頑張って研ぐと、砥石が減ってしまい、角度がおかしくなったり刃先が丸くなってしまうからです。
ただしこの際には、先端まで砥がずに希望角度より鋭角になっていれば良いので、ガイドは使用せずに研いでください
大粒の鉄粉が軸に侵入することによりガイドの軸が損傷しやすくなります。
最初に何擦りかして、砥ぐ面を確認すると元の面と違う輝きになっている部分が出るので、それが斜めの面全体に広がるまで研ぎ切って下さい。

角度が付いたら、通常の砥石で研ぎ上げていきます。

写真の砥石は、「刃の黒幕」の1000番です。
革包丁は、かなりの鋭さを求められますので、5000番くらいまでは研いだ方がよいです。
理想としては、1000→2000→5000と砥ぐと砥石の減りを抑えつつ早く綺麗に砥げます。
砥ぎ方や砥石については「その他の道具」の「砥石」のページを参考にしてください。

刃のオモテ面(シノギ面)が砥げたら、ガイドに付けたままひっくり返してウラ面も砥ぎます。

目的は砥ぎカエリを取るためなので、刃に対して真横方向に10回くらい前後させればよいです。
砥ぎ角度が鈍い場合は1回でもカエリが取れますが、鋭角の場合は取れにくいので、シノギ面を10回ほど砥いで裏面も10回砥ぐというのを、刃先が整うまで数回繰り返してください。

以上で砥ぎ上がりです。

ガイドから包丁を外す際は、刃先がどこにも接触しないように注意して下さい。
極めて鋭角なので、硬いものに少しでも触れると、目に見えないレベルで刃先が欠けます。

☆メンテナンスについて

使用後は水流を当ててよく洗ってください。

丸洗いしてしまって大丈夫です。

雨水などだと錆びを呼びますので必ず水道水で洗ってください。

洗浄後は風通しの良いところでプレートを広げて乾かしてください。

SUS304製なのでよほど酷い条件でなければ錆びません。

必ず毎回の使用前に赤い矢印の部分、ローラー回転軸周りと、ローラー側面(プレートとの接触面)に油をほんの少しだけ注してください。

耐水性のあるグリスが理想的ですが、ミシン油などのサラサラのものでもOKです。

それぞれ耐久性が違いますので、留意してください。

 

軸の接触面が狭いため油切れはおきやすいので、キュラキュラという金属が擦れる音がしたら使用途中でも注油をして下さい。

注した後は少し回転させて馴染ませて、ローラーなどに付着した分は完全にふき取ってください。

☆最後に

この革包丁砥ぎガイドは、現行品で最高の品なのは間違いないです。

出来れば、革包丁を砥ぎたい全ての人にロブストを選択してほしいくらい最高の物です。

ただ、この手のガイドの弱点である砥ぎシロの問題を完全に解決しているわけではありません。

この点において、今後柄の無い、あるいは着脱式の革包丁の製作を計画しています。

それが完成すれば刃のある限り砥げてしまうので、革包丁は一回買ったらもう買う必要がなくなるかもしれませんね。

まだまだ先になりそうですが、ご期待ください。