西洋鉋の種類

主な西洋鉋の種類と特徴を紹介します。
また、名前の後の星は、現代でのお役立ち度を5段階評価してみました。

ブロックプレーン☆☆☆☆☆

小さい為小回りが利き、比較的軽いので、片手で何にでも使ってしまうような鉋です。
小口削りや、面取り、棒状のものであれば仕上げも問題ありません。
刃口の広さを調節できる機能のあるものもありますが、安い価格帯の物は、恐ろしく精度が悪いので選ばない方が無難です。
刃口の動く部分が左右で1ミリ近く違うなんてのがザラにありますので、それに当たった場合調整は容易ではありません。
写真の物は刃口の調整は出来ない一体成型の物ですが、簡素な作り故に元々それほど精度は悪くなく調整も容易です。
一体成型の安価なグレードならばオススメはスタンレーです。
壊れる要素がないのと、使うのに十分な精度があります。

ただ、材が小さかったり逆目が起きやすい場合、刃口調整がある方が便利な場合もあるので、その場合は13000円以上のクラスの物を買えばだいたい問題ないかと思います。
この、スタンレーのカラフルなブロックプレーンは絶対に買わない方が良いです。
ネジは、刃を押さえつける為の1つしかありません。
つまり、刃を叩くなり押すなりして調整するのですが、ネジを締めこむと刃が動いてしまうので、調整は非常に困難です。
和鉋、洋鉋ともに完璧に扱える私が困難で嫌になったのですからここを見ている皆さんには無理と断言します。

ヴァイオリンプレーン☆

名前の通りヴァイオリン製作のための超小型鉋です。
平らなもの、前後反りのもの、左右反りのもの、四方反りのものなど色々あり、それぞれ結構高いです。
しかも小さいので使いにくいです。
ほとんどの場合、これ使うなら後述のパームプレーンの方が良いです。
ヴァイオリン作ったことがないので便利なのかわかりません。

パームプレーン☆☆☆

パームとは手のひらのことで、手のひらで包む柄がついており削りやすいです。
鉋の形状は、ヴァイオリンプレーンとほぼ同じです。
椅子やお盆など凹面を削るのに使っています。

ベンチプレーン

ベンチプレーンというのは、持ち手のついた西洋カンナの総称です。
この内、一般的なものを以下に紹介していきます。

スムーズプレーン☆☆☆☆

スムーズの名の通り、滑らかに仕上げる為の仕上げ鉋です。
もっとも一般的なベンチプレーンで、仕上げ鉋ではありますが、荒削りや平面出しにも使用できます。
ちなみにジャックプレーンというのは、何でも屋鉋という意味らしいですが、スムーズプレーンとよばれるNo.4、No.5が使い勝手が良いためにそう呼ばれているようです。

スクレーピングプレーン☆☆

西洋鉋は、逆目や堅木に強いですが、杢や極端に硬い木だと逆目を起こしたり刃が立たない場合があります。
そういった場合に使用する、擦り取るように削る鉋です。
これが無いと杢は綺麗に削れません、がしかし、現代では紙ヤスリやベルトサンダーがありますので重要度が下がりました。
どうしてもこれが必要な箇所でも私は、板一枚のスクレーパー(500円くらいですが☆4つ以上の価値があるような)でいいんじゃないかと思ってます。
ざらつきの残る仕上がりになります。

ローアングルプレーン☆☆

刃裏が下向きになっているため、刃が低く付けられており、刃が材に対してさらに鋭角に当たるようになっていて、刃口を台が動くことで調整できることが特徴の鉋です。
輪切りにして年輪の出ている大きな木口を削るのに使用します。
裏金は付いていませんし、刃が食い込みやすいのでそもそも逆目が起きやすいのですが、特に板目だと逆目どころかむしれます。

ジョインタープレーン☆☆

普通に手に入るものだと最も長い西洋鉋です。
まぁ、やたら長いスムーズプレーンなんですが、極端に長いので別種扱いです。
元は、板を継いだ時のジョイントを削る為に使うためジョインタープレーンという名前です。
あるいは、その長さを利用して平面出しに使用します。
ただ、ベルトサンダーや手押しカンナ盤が普及した現在では使う事は、プロユースで使う必要性がほぼ無いです。
大きくてカッコ良いですが。